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ニセコひらふCIDコミュニティ分担金制度

ビジョン

「住みたくなるリゾート ニセコ高原ひらふ」安全・安心、きれいで元気なひらふ

目的

1. 安全・安心できれいなひらふを守り、地域がひとつになってお客様を歓迎し、元気なひらふをつくります。

2. 居住者も非居住者も「ひらふコミュニティ」の一員としてすべての皆さんがかかわる、全く新しい地域運営の仕組みをつくります。

なぜCIDコミュニティ分担金制度が必要に?



ひらふ第1~4町内会エリアでは、不動産(建物)所有者の80%が非居住です。居住する20%の不動産所有者の中でも、全体のわずか15%の町内会員が地域コミュニティ全体の費用やボランティア労働を担っています(20121月現在)。

しかし、あまりに会員の全建物所有者に対する割合が少なくなったため、町内会だけでこうした負担を続けることは困難を極めています。

町内会の役割

町内会制度は、日本独自の「合理的」で「無駄のない」コミュニティ・マネジメントの方法です。例えば、住民が自ら地域の防犯灯の設置や電気代を負担するので、必要性の低いところへの設置が避けられます。ゴミステーションも自分たちで清掃するので、コミュニティの誰もがきれいに使い、費用や労力を最小限にする努力をします。その結果、コミュニティ全体の費用支出は最小に抑えられ、しかもきれいな状態が保たれます。

ひらふ地区では、不動産所有者の15%にまで減った町内会員が、

・防犯灯の電気代と修理・新設代を負担(倶知安町の補助は、第1~4町内会45%、樺山町内会85%)

・ゴミステーションを掃除し、分別が不適切なゴミを分別しなおし、有料のゴミ袋に入れ直す

などの費用と労働を負担してコミュニティを守ってきました。

町内会に加入していないフリーライダー(ただのり)問題

このように町内会はコミュニティに必須な役割を担っています。


しかし、入会は任意で義務ではないため、日本人でもなぜ入会する必要があるか分かりにくく、その結果、入会していない人は「フリーライダー(ただのり)」になっています。

例えば、オーストラリアには、当然ながら町内会はありません。市街化区域では、街路灯やゴミ収集は全面的に行政が負担しています。したがってオーストラリア人にはコミュニティ維持の費用や労力を住民が分担する日本の町内会制度は、まったく経験がなく、なかなか理解は得られません。

町内会の役員が海外居住の不動産所有者の連絡先を探し、町内会への加入を求めることは実質、不可能です。多くの非居住不動産所有者は、けして悪気があって「ただのり」している訳ではないのです。

新しい制度の必要性

こうした背景から、ひらふには外国人にも理解しやすい、居住・非居住にかかわらず不動産所有者全員が費用を負担してコミュニティを守り、その成果を共有する新しい仕組みが必要です。

そこで、CIDコミュニティ分担金制度が提案されました。



CIDコミュニティ分担金制度とは?

1. 通常の行政サービスでは補えない公共的なサービスを提供するため

2. 必要な資金を不動産所有者全員から公平に集め、

3. 独自の組織を設立し

4. 住民にとって住み心地がよく、また訪れる観光客にとっても気持ちの良い地域を目指します。

 

CIDで何をするのか?

1. 防犯灯の電気代と修理・新設代(短期・継続)

2. 地域美化(短期・継続)

3. コミュニティのネットワークづくり(中長期)

4.新しいゴミ収集システムの検討(中長期)

 

町内会は継続して活動をお願いします。

ひらふ坂歩道ロードヒーティングの電気代は事業をしていない方の負担はありません。

商業・観光事業者が組織するBIDの分担金と役場が支払います。

CIDコミュニティ分担金からは支払いません。

 

CID/BID組織の運営

居住している人の割合が少なくなったため、ボランティアだけではコミュニティや地域振興は困難です。CIDBIDの予算と事業の実施は別々に行いますが、ひとつの組織がCIDBIDを運営します(一般社団法人を予定)。分担金として集めた資金の一部を使い、事務局員とCIDBIDの事業で、例えば見回りやゴミステーションの清掃等をする人を雇用します。

CIDが行う事業は、CIDコミュニティ委員会が原案をまとめ、CID/BIDの理事会で検討後、年次総会で会員が最終決定をします。

     

CIDのエリア

1、第2、第3町内会のエリアとします。第4町内会とCIDへの参加を協議中です。

              

コミュニティ分担金の金額(第3町内会の会費と同額)

一単位8,400円/年

1. 原則、すべての建物を対象とし、家屋もしくはコンド等は一戸一単位とする。

2. 農業用や個人の車庫・倉庫などの付属屋は対象外

3. 同一敷地内で、所有者が同一で、保健所から一体として営業許可を得ている複数の宿泊用建物はまとめて一単位(例:第二泉郷)

4. 宿泊・店舗に併設する居住部分は同一所有者であれば対象としない。

(ペンションはオーナー居住部分も含めて一単位。オーナーの住まいが別棟の場合は二単位。同一敷地内に所有者が同一の宿泊用建物が二棟ある場合はまとめて一単位)

 

土地にも分担金が?

例えば以前、建物があったが取り壊し、今は空地になっている土地からの徴収を検討していますが、まだ詳細は議論されていません。地元の人が所有し、草刈りなど適切な管理がされている場合や冬期の雪置き場にご協力いただける場合は減免する方向です。

 

4町内会のコミュニティ分担金額は、同町内会がCID機能の一部を担うことで減額も視野に入れて協議する予定です。

 

分担金の徴収

倶知安町にCID/BID制度を提案し、条例が成立すると、法律や条例に基づいて不動産所有者全員が、「義務」として支払うことになり、役場が徴収します。税金と同じように「公金」になりますので支払わないと、

1.税金と同様に滞納処分があります。

2. CID/BIDの投票権やサービスを受ける権利を失います。















なぜ「分担金」という名称なのか?


国の法律に定められた「受益者分担金制度」を適用して、新しい仕組みを作ろうとしているからです。


この制度の特徴は、「受益者」が「分担金の支払者」に限定されることです。ですから、ひらふで集めたコミュニティ分担金は、ひらふのことだけに使われます。

例えば、倶知安駅前のゴミ箱の管理など、ニセコひらふCIDの外部の人にも受益があることには絶対に使えない制度です。

 

投票


CID/BID
の条例制定後、ニセコひらふCID/BIDを運営する法人を設立し、町に申請します。

その後、不動産所有者全員が所有「CID単位数」に応じた投票権で投票します。

CID運営組織の理事の選出

1. CID役員は各町内会長にお願いする方向ですが、町内会がないエリアもあるため、CID役員の選出方法は今後、検討します。

2. 選挙でCID役員を選出する場合はBIDと同様、立候補者に対する投票とし、被選挙権はエリア内居住者のみとし、リゾート分担金や税金等の滞納があると選挙権を失います。

CIDの設立投票

設立投票は反対者だけが投票する「不信任投票」とし、40%を超えた場合は、CIDは設立されません。さらに、CIDは時限設置で、制度継続をするかどうか、5年毎に投票で決めます。

 

なぜ、「不信任投票」なのか?


ひらふに住んでいる家屋やコンドの所有者が全所有者数に占める割合は、わずか
20%です。少なくなった住民だけでコミュニティ維持の負担が難しくなったことが、すべての不動産(建物)所有者から同じように分担金を集め、責任を分かち合うCIDという新しい仕組みが必要になった大きな原因です。
「信任投票」にした場合、
80%を占める不在不動産所有者の多くがお金を払いたくなかったり、あるいは地元の問題に興味がないため「賛成票」を投じなかったりするとCIDは成立しません。住民だけでコミュニティの維持費用や労力を負担できなくなると、地域の環境はどんどん悪化してしまいます。そうなると不動産の価値も下がり、不在不動産所有者にも大きな打撃となります。
 
海外の事例では、当初は「信任投票」だったバンクーバー市では、経済発展の結果、不動産価値が上がり、海外に住む不動産所有者が増えて(平均
60%が海外居住)地元の商業者が望んでもBIDを設立できない時期がありました。また、5年毎のBID継続信任投票に向け、4~5年目はどこのBIDでも事務局の労力が信任投票キャンペーンに費やされ、BID本来の目的である事業に力を注げない事態に陥りました。

そのため、バンクーバー市ではBID設立・継続の投票を「不信任投票」に切り替えました。その結果、多くのBIDも新設され、市内各所で地域の核となる商店街が復活しました。英国やカナダの他都市でも一般的に設立・継続には「不信任投票」が採用されています。

信任投票を取り入れた米国のBIDやドイツのCIDの事例では、設立当初はBIDCIDを支持していた地域の不動産を大量所有する海外企業が、継続に反対したため、BIDCIDが解体しました。

こうした事例を参考に、地元の住民や事業者よりも大口不動産所有者の意向が優先されることを避けるため、ひらふではCIDの設立・継続には「不信任投票」を提案しています。

13町内会エリアでは不動産(建物)所有者の75%が、第14町内会でも61%が海外居住者です。海外の方にもCIDを理解してもらうには世界標準の考え方が必要です。

 

責任と成果をみんなで共有


非居住者にも居住者と同様に「分担金」支払いという責任を持ってもらいますが、コミュニティを良い状態に保つ成果も共有します。
CIDは住んでいる人も、住んでいない不動産所有者もコミュニティを守る責任と成果を共有する国際リゾートひらふにふさわしい仕組みです。

        

 

今後の予定


住民の合意により倶知安町にCID/BID制度を提案し、条例が成立すると、地元ひらふにCID/BIDの運営組織となる法人を設立します。その運営組織はCID/BIDの設立を倶知安町に申請し、分担金の支払いが予定される不動産所有者の投票を経て、役場の承認を得るとニセコひらふCID/BIDが発足します。