ニセコひらふCID/BIDリゾート分担金制度対象: 第1~4・樺山町内会エリアに商業用の不動産(主に建物)をお持ちの方第1~4・樺山町内会エリアでテナントとして観光業・商業を営んでいる方
■ビジョン「住みたくなるリゾート ニセコ高原ひらふ」‐安全・安心、きれいで元気なひらふ ■目的
2. 居住者も非居住者も「ひらふコミュニティ」の一員としてすべての皆さんがかかわる、全く新しい地域運営のしくみをつくります。
■背景(1)ひらふの観光業界の展望●ニセコ観光局とBID
●倶知安観光協会ひらふ部会(旧ひらふ支部)とNPBの役割 環境美化や地域の維持管理・情報共有、インフラ整備の要望など地域の課題に対応してきた旧ひらふ支部は、2012年に倶知安観光協会にひらふ部会として合流したため、コミュニティ維持活動は観光協会の目的外となりました。これまでのような地元の観光事業者が抱える問題への対応は難しくなります。 また、NPBは観光局への機能の統合が検討されています。 つまり、ひらふの観光事業者の問題や要望に対応する組織がなくなります。
■なぜCID/BIDリゾート分担金制度が必要に?
![]() ●町内会の役割
・防犯灯の電気代と修理・新設代を負担(倶知安町の補助は、第1~4町内会45%、樺山町内会85%) ・ゴミステーションを掃除し、分別が不適切なゴミを分別しなおし、有料のゴミ袋に入れ直す などの費用と労働を負担してコミュニティを守ってきました。 ●町内会に加入していないフリーライダー(ただのり)問題
●新しい制度の必要性こうした背景から、ひらふには、居住・非居住にかかわらず、外国人にも理解しやすい、不動産(主に建物)所有者全員が費用を負担してコミュニティを守る新しいしくみが必要になりました。
■CID/BIDリゾート分担金制度とは?1. 通常の行政サービスでは補えない公共的なサービスを提供するため 2. 必要な資金を不動産所有者全員から公平に集め、 3. 独自の組織を設立し、 4. 住民にとって住み心地がよく、また訪れる観光客にとっても気持ちの良い地域を目指します。 ■CID/BIDのエリア
■CID/BIDリゾート分担金制度とは?1. 通常の行政サービスでは補えない公共的なサービスを提供するため 2. 必要な資金を不動産所有者全員から公平に集め、 3. 独自の組織を設立し、 4. 住民にとって住み心地がよく、また訪れる観光客にとっても気持ちの良い地域を目指します。 ■CID/BIDのエリア
■なぜ「分担金」という名称なのか?国の地方自治法に定められた「受益者分担金制度」を使い、新しい仕組みを作ろうとしているからです。この制度の特徴は、「受益者」が「分担金の負担者」に限定されることです。ですから、ひらふで集めたコミュニティ分担金は、ひらふのことだけに使われます。例えば、倶知安駅前のゴミ箱の管理など、ニセコひらふCIDやBIDの外部の人にも受益があることには使えない制度です。 ■BIDで何をするのか?ひらふに特化した魅力的な観光地づくりやインフラ維持管理を行い、地域の事業者の収入増加を目指します。( )は実施開始年次。 1. 新たなゴミ収集の仕組みづくり(1年目~) 2. ストリートバナー(1~3年目) 3. ワイン&ダインのような、夏期も冬期も使えるガイドブックの発行(1年目~) 4. ウェブやフェイスブックによる宿泊・アクティビティの情報発信・集客活動(1年目~) 5. 地域イベント(レストランフェア、ひらふ祭り、冬のひらふ祭り等)による販売促進(1~3年目~) 6. ひらふ坂歩道ロードヒーティング電気代* (1年目~)*歩道ロードヒーティング電気代は総額6百万円(予想)。そのうち役場に40%お願いした残りの3.6百万円
■CIDで何をするか?1. 防犯灯の電気代と修理・新設代(短期) 2. 地域美化(短期) 3. コミュニティのネットワークづくり(中長期) 4.新しいゴミ収集システムの検討(中長期) 5. 各不動産の草刈りや屋根の雪降ろしなどの管理義務、ロケット花火や深夜の騒音、ごみのポイ捨て禁止などを条例で制定するように働きかける。 ●町内会は継続して活動をお願いします。 ●ひらふ坂歩道ロードヒーティングの電気代はCIDの分担金からは負担しません。 ●CID/BID組織の運営 ボランティアだけではコミュニティや地域の経済振興の継続は困難なため、集めた資金を使い、CID/BID組織(一般社団法人を予定)で働く事務局員と事業運営の経費とします。 ■リゾート分担金制度のメリット・デメリット●BIDビジネス分担金
●CIDコミュニティ分担金
【居住者・非居住者】
【各町内会】
■ニセコひらふCID/BIDの設立と分担金徴収住民の合意により倶知安町にCID/BID制度を提案し、条例が成立すると、地元ひらふにCID/BIDの運営組織となる法人を設立します。その運営組織はCID/BIDの設立を倶知安町に申請し、分担金の支払いが予定される不動産所有者の投票を経て、役場の承認を得るとニセコひらふCID/BIDが発足します。
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種類 |
特記事項 |
BID分担金 |
宿泊 施設 |
保健所届出施設 |
対象 |
無届宿泊業営業施設外 |
対象(早急な届出を支援) |
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別荘 |
旅行者に賃貸 |
対象 |
賃貸していない |
対象外 |
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アパート ・貸家 |
貸家・アパートの部屋に住民票をおく借主と3か月以上の長期契約 |
対象外 |
貸家・アパートの部屋に住民票をおく借主と3か月未満の賃貸契約 |
対象 |
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3か月以上の長期契約だが、賃借人が住民登録していない |
対象 |
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倉庫 車庫 付属屋 |
観光業・商業にかかわりのない業種(農業等) |
対象外 |
●一単位8,400円/年(第3町内会の会費と同額)
1. 原則、すべての建物を対象とし、家屋もしくはコンドミニアム等は一戸一単位
2. 農業や個人の車庫・倉庫などの付属屋は対象外
3. 同一敷地内で、所有者が同一で、保健所から一体として営業許可を得ている複数の宿泊用建物はまとめて一単位 (例:第二泉郷)
4. 宿泊・店舗に併設する居住部分は同一所有者であれば対象としない。
●現在協議中の第4町内会のコミュニティ分担金額は、町内会がCID機能の一部を担うことで減額になる可能性があります。
○BID
ひらふ坂沿線の土地の歩道ロードヒーティング電気代の間口負担以外は、今のところ土地からの徴収は検討されていません。
○CID
以前は建物等があった空地などから徴収を検討していますが、詳細はまだ議論していません。例えばひらふ居住者が管理を適切に行っている土地や冬期に雪置き場として協力する土地は、対象外とする方向で検討しています。
○一般社団法人とします。
【理由】①会員の入退会が自由なNPO法人は、不動産所有者全員を例外なく会員であることが必須なこの制度には不適切、②株式会社は株主の経済的利益を目的とする組織体制なので、CID/BIDのように公益を目的とする組織にそぐわない。
○総会
年次・中期(3年)・長期(5年)事業計画と予算・決算は総会の決議事項とします。
○理事会
組織運営の主体として、運営方針や事業計画等を議論し、総会に諮ります。スキー場代表以外は選挙で選出。
○事務局
CID/BID合わせてフルタイム1~2名。他の業務はパートタイムや外注。
○会計
①分担金は公金と同じなので、会計事務所に依頼し、また監査も受けます。
②アクティビティ・ベースト・アカウンティング(ABC=活動原価基準管理)を採用します。
BID会員 商業用建物(一部土地)所有者とテナント
CID会員 不動産所有者全員
賛助会員 BIDに参加を望むエリア外に所在する企業や事業者は、所定の会費を納め、理事会の承認を得て参加することができます。
●CID/BIDの設立投票
CID/BIDの導入には、分担金支払いが必要となる不動産の所有者による投票を提案しています。CIDは対象となる不動産所有者全員が所有「CID単位数*」に応じて、BIDに関しては所有「BID単位数**」に応じた投票権で投票します。設立と5年毎のCID/BID継続の可否の投票は反対者だけが投票する「不信任投票」とし、40%を超えた場合は、CID/BIDは設立されません。さらに、CID/BIDは時限設置で、制度を継続をするかどうか、5年毎に投票で決めます。
*原則として、一戸あたり一単位(「コミュニティ分担金の金額」を参照)
**BID分担金の支払い額を、宿泊業のBID分担金部屋単価の平均値で割り算をして得た商(小数点以下四捨五入)
●なぜ、「不信任投票」なのか?
ひらふの家屋やコンドミニアムの所有者で、ひらふに住んでいる人や法人の全所有者数に占める割合は、わずか20%です。少なくなった住民だけでコミュニティ維持の負担が難しくなったことが、すべての建物所有者から同じように分担金を集め、責任を分かち合うCID/BIDという新しい仕組みが必要になった大きな原因です。
「信任投票」にした場合、80%を占める不在不動産所有者の多くがお金を払いたくなかったり、あるいは地元の問題に興味がないため「賛成票」を投じなかったりするとCID/BIDは成立しません。住民だけでコミュニティの維持費用や労力を負担できなくなると、地域の環境はどんどん悪化してしまいます。そうなると不動産の価値も下がり、不在不動産所有者にも大きな打撃となります。
そのため、バンクーバー市ではBID設立・継続の投票を「不信任投票」に切り替えました。その結果、多くのBIDが新設され、市内各所で地域の核となる商店街が復活しました。英国やカナダの他都市でも一般的に設立・継続には「不信任投票」が採用されています。
信任投票を取り入れた米国のBIDやドイツのCIDの事例では、設立当初はBIDやCIDを支持していた地域の不動産を大量所有する海外企業が、継続に反対したため、BIDやCIDが解体しました。
こうした事例を参考に、地元の住民や事業者よりも大口不動産所有者の意向が優先されることを避けるため、ひらふではCIDの設立・継続には「不信任投票」を提案しています。
繰り返しになりますが、ひらふの建物所有者の80%が不在者です。さらには第1~3町内会エリアでは75%が、第1~4町内会でも61%が海外居住者です。「信任投票」で過半数を獲得するには、その半分近くの賛成票の「投票」が不可欠です。「信任投票」にすると、将来的にひらふに住む人や事業を行う会社にとって必要なことを自分たちで決められなくなり、「非居住者」にも責任を分かち合ってもらおうというCID/BIDの目的が達成されません。
国際リゾートとなったひらふには、世界標準の考え方が必要です。
●BID理事の選出
① 理事の被選挙権はエリア内居住者のみとします。
② BID理事はBIDビジネス分担金を支払っている不動産所有者が所有する、「BID単位数」に応じた投票権で立候補者に投票します。
③ テナントは、飲食業・各種サービス委員会を担当する理事の選挙権・被選挙権のみを持ちます。
④ リゾート分担金や税金等の基準日における滞納があると選挙権・被選挙権を失います。
●CID運営組織の理事の選出
① CID役員は各町内会長にお願いする方向ですが、町内会がないエリアもあるため、CID役員の選出方法は今後、検討します。
② 選挙でCID役員を選出する場合はBIDと同様、立候補者に対する投票とし、被選挙権はエリア内居住者のみとし、リゾート分担金や税金等の滞納があると選挙権を失います。
●総会決議事項 投票権は会員一名(一社)につき一票とし、定足数は定款に定めます。
●理事会決議事項 理事一名につき一票とし、定足数は定款に定めます。
非居住者にも居住者と同様に「分担金」支払いという責任を持ってもらいますが、良い状態にコミュニティを保つという成果も共有できます。CID/BIDは住んでいる人も、住んでいない不動産所有者もコミュニティを守る責任と成果を共有する国際リゾートひらふにふさわしい仕組みです。
分担金支払い例
注:飲食店はワイン&ダインに1/2ページ広告出稿を前提に計算
●第1町内会(ささやき坂)飲食店(個人経営)建物を所有。厨房とトイレなど除いた床面積10m2
CIDコミュニティ分担金 |
8,400円 |
BIDビジネス分担金 |
10×100円+35,000~40,000円=36,000~41,000円 |
合計 |
44,400円~49,400円 |
○現在支払っている金額
センタービレッジ街路灯代 |
5,000円 |
ワイン&ダインとNPB会費 |
31,000円 |
倶知安観光協会費 |
17,000円 |
合計 |
53,000円 |
○CID/BID導入後の負担 3,600~8,600円減ります。
●第3町内会 ペンション(個人経営)建物を所有。部屋数8室
CIDコミュニティ分担金 |
8,400円 |
BIDビジネス分担金 |
8室×5,000円(第3町内会のペンションに考えらえる最高単価)=40,000円 |
合計 |
48,400円 |
○現在支払っている金額
町内会費 |
8,400円 |
倶知安観光協会費 |
27,000円 |
NPB会費 |
10,000円 |
合計 |
45,400円 |
○CID/BID導入後の負担 3,000円増えます。
●第1町内会 ひらふ坂沿線。ホテル30室。不動産所有カフェ併設(床面積20m2)(法人経営)
ひらふ坂に接する間口20m
CIDコミュニティ分担金 |
8,400円 |
BIDビジネス分担金 【カフェ】 |
20×100円+35,000~40,000円 |
【宿泊】 |
30室×7,000円(第1町内会のホテルで考えられる最高単価)=210,000円 |
【ひらふ坂間口分担金】 |
20 m ×2,130円=42,600円 |
合計 |
289,600~294,000円 |
○現在支払っている金額
センタービレッジ街路灯代 |
10,000円 |
ワイン&ダイン |
21,000円 |
倶知安観光協会費 |
27,000円 |
NPB会費 |
100,000円 |
合計 |
168,000円 |
○CID/BID導入後の負担 121,000~126,000円増えます。
●第2町内会 コンドミニアム所有(2LDK)個人 管理会社経由で観光客に貸し出し
CIDコミュニティ分担金 |
8,400円 |
BIDビジネス分担金【宿泊】 |
2室×7,000円(第2町内会のコンドミニアムに考えらえる最高単価)=14,000円 |
合計 |
22,400円 |
●第4町内会 別荘所有(3LDK)個人所有 管理会社経由で観光客に貸し出し
CIDコミュニティ分担金 |
(未定) |
BIDビジネス分担金 【宿泊】 |
3室×6,000円(第4町内会の別荘に考えらえる最高単価)=18,000円 |
合計 |
18,000円 |
○現在支払っている金額
町内会費 |
6,000円 |
合計 |
6,000円 |
○CID/BID導入後の負担 18,000円増えます。
●樺山町内会 ペンション(法人経営) 建物を所有。部屋数15室
CIDコミュニティ分担金 |
なし(樺山町内会費4,000円) |
BIDビジネス分担金 【宿泊】 |
15室×4,500円(樺山町内会のペンションに考えらえる最高単価)=67,500円 |
合計 |
67,500円 |
○現在支払っている金額
(町内会費) |
(4,000円 継続) |
倶知安観光協会費 |
27,000円 |
NPB会費 |
30,000円 |
合計 |
57,000円 |
○CID/BID導入後の負担 9,500円増えます。
●第1町内会 飲食店(法人経営)テナント。床面積50m2
CIDコミュニティ分担金 |
なし |
BIDビジネス分担金 【飲食】 |
なし |
合計 |
0円 |
○現在支払っている金額
センタービレッジ街路灯代 |
5,000円 |
ワイン&ダイン |
21,000円 |
NPB会費 |
30,000円 |
倶知安観光協会費 |
27,000円 |
合計 |
83,000円 |
○CID/BID導入後、83,000円の減少ですが、CID/BID分担金相当分を大家さんが家賃に上乗せする可能性があります。
ビジネス分担金
50×100円+35,000~40,000円=40,000~45,000円
コミュニテイ分担金 8400円
合計48,400~53,400円